16スターズオンアース
この馬はクイーンCで見せたように、流れに乗ってギアの上げ下げを求められても対応できており、オークス向でも好走できる下地は示していました。
オークスは、ロングスプリント性能で2着のスタニングローズと比較しても明確に一枚上のパフォーマンスを見せており、3角ではスタニングローズから2列後ろにいてコース取りとしても一つロスが生じており、4角でラブパイローの外から動かしているのでそこから直線で一列前に出たということを考えても後半1000で見て実質3馬身以上のロングスプリント性能の差を引き出していた事になります。
秋華賞は骨折明けで仕上がっていなかった馬体+直線での不利でもコンマ1秒差の3着に好走できており、単純な後半のロングスプリント性能で明確に差を作ってきただけに、まともならこの世代では最上位の存在と言えます。
この馬のロングスプリント能力の高さは間違いありませんが、瞬間的なトップスピードの質を見せているわけではないため、良馬場では後ろから過ぎるとL1で伸びてきても届かない可能性が高いように思えます。
ただ、近走はスタートが改善されてマイルの流れでもポジションを取る競馬が出来ており、前走のジャパンカップでは半年ぶりの競馬で2強に次ぐ3着を確保しており、今回は叩き2戦目でロングスプリント能力を引き出す天才のルメール騎手騎乗+ロングスプリント戦を作り出すタイトルホルダーの参戦+2強不在となるここはチャンス十分の1頭と言えます。
4タイトルホルダー
一昨年は天皇賞春で圧勝し、宝塚記念でも強い競馬で圧倒した同馬。
菊花賞ではステラヴェローチェに1秒差をつけて圧勝していたように、阪神内回りに圧倒的なパフォーマンスが集中しているというのは気になる材料と言えます。
一昨年の有馬記念ではステラヴェローチェにも先着を許しており、皐月賞でもステラヴェローチェにはクビ差で先着しましたが、エフフォーリアには突き抜けられていてパフォーマンスとしてはそこまで高くない点は懸念材料と言えます。
一昨年の日経賞は57kgでまだ斤量もそこまで重くない中での競馬となり、超スローで受けられたので展開としては逃げ馬には楽だった中、タイトルホルダーとしてはこれでL2のギアチェンジで大きな違いを作る事ができず、器用さが売りとはいえボッケリーニにここで最後まで渋太く食らいつかれてクビ差の勝利となりました。
それが今年は2着のボッケリーニに対して8馬身差の圧勝を決めており、完全本格化の印象を受けました。
阪神コース以外でも高いパフォーマンスを見せられた点は大きな収穫と言え、完全本格化した今なら春の天皇賞の様なアクシデントが無い限りは安定したパフォーマンスが期待できる1頭と言えます。
15スルーセブンシーズ
2走前の宝塚記念は、出負けして後方から押して追走し、序盤は好位~中団が広がっていたのでコントロールして後方で我慢する格好となりました。
道中は最後方で進めて内目を通しつつ我慢させ、3角では内を通していましたが外に誘導してイクイノックスマークに切り替えて4角でイクイノックスが外という中で我慢して直線に入り、直線序盤で内から他馬が来てブレーキを踏む場面があり、そこから中目に切り替えてL1で伸びるとイクイノックスにクビ差まで詰めてきただけに、スムーズならかなり際どかった内容と言えます。
宝塚記念は前半が異常に速く、中盤も顕著に緩むトリッキーな展開となっており、その中でスルーセブンシーズの位置は1000m通過が約60秒前半ぐらいで入っており、この馬のバランスなら上がり3Fが34.6ということを考えても後半型のバランスで入れている計算となります。
その中で3~4角で出し切る形で有力馬が勝負する中で一呼吸置いて3角は内を通して4角でも中目を通して温存する事ができました。
宝塚記念では前半の激流と中盤の中弛みで先行勢が全滅しており、外から勝ちに行ったジェラルディーナやジャスティンパレス、更にそれの外からイクイノックス流れにしっかりと乗って行ってその中で上手く立ち回る事ができました。
詰まったことを除けば宝塚記念の展開の中では最も理想的なバランス・仕掛けの判断ができており、消耗戦で出し切ったジェラルディーナを正攻法で撃破していることを踏まえれば、トップレベルのパフォーマンスを示したと言え、今年の有馬記念でも楽しみな存在と言えます。
10ジャスティンパレス
後半の素材面はそこまで目立たないタイプですが、前半を上手く使ってどこまで、というタイプと言えます。
阪神大賞典は超スローの後半特化戦となっており、12.2 - 11.9 - 11.6 - 11.4 - 11.3 - 11.7とロングスプリント的な競馬でボルドグフーシュを撃破しましたが、前目内目で3~4角でロスなく運べたことが大きな勝因と言えます。
対照的にボルドグフーシュは後半特化で無酸素運動的な競馬で外から出し切ると甘くなるため、その点でもコーナリングでの立ち回りによるところが大きかったように思えます。
これは神戸新聞杯も同様で、菊花賞の場合はシンプルなマラソンレースに近い競馬になったためにボルドグフーシュが出し切って交わされましたが、前半のスピード面では良い物を見せており、以前は良馬場である程度時計が出るなら期待が持てるタイプでした。
前走のダービーでは「前で運ぶプランでしたが、出負けして後ろになってしまったので思うような競馬ができませんでしたが、結果的に流れたので問題ありませんでした。」と横山武騎手がはなしており、今回も横山武史騎手の騎乗となるため、スタートが決まればある程度前半から位置取りを取ってくる可能性が高く、ジャックドールが自分の競馬に持ち込む前提なら3~4角でロングスプリントになる可能性が高くなります。
それをコーナーでロスなく進めて神戸新聞杯のような形に持ち込む事ができればチャンスが大きくなる1頭と言えます。
1ソールオリエンス
右回りでのコーナリングに課題を抱えている馬で、京成杯も、皐月賞も4角で左手前に替えてコーナリングで外に膨れています。
基本的に右回りは右手前、左回りは左手前でコーナリングすべきですが、ソールオリエンスに関しては4角で逆手前になるリスクが高いように思えます。
セントライト記念は右手前で4角を回り切っていましたが、走りのバランスが悪くて置かれており4角地点で外に張られる不利も受けていました。
皐月賞は勝っていますが、この馬は右回りでのコーナリングが苦手なタイプと言え、ラップが上がっていない所で動けていないのは割引材料と言え、中山での仕掛けの意識が低い川田騎手に乗り替わる今回は買い辛い1頭と言えます。
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